Wadia 861 ベルト交換

こんにちは ナックオーディオ中村です。

10月に入ってからは日に日に秋めいてきましたね。
日中は半袖で過ごしても、日が暮れれば肌寒く、長袖のシャツを準備する。
「あ~。。 今年も夏が終わってしまったなぁ~。。。」
毎年感じるこの感覚。
秋ってなんだか「切ない」感じなんですよねぇ。

そんな、ぼんやりムードではありますが
本日の 「ネタ」 は  Wadia 861 CDプレーヤーです。

う~~~ん やっぱり カッコイイ!
この 見た目の武骨な感じ 「男気」を感じます。

当店でも 861 に限らず Wadia CDプレーヤーは幾度も扱ってきました。
しかし、今回の 861 オリジナルを扱うのは初めて。
今まで扱ってきた861は全て デジタルIN/OUT を省いたモデル  BASIC モデル だったんですねぇ。

この861がリリースされたのが2001年頃のこと。
まだ PCオーディオ ネットワークオーディオ が「噂レベル」で囁かれていた時代です。
次世代高音質音源として SACD/DVD AUDIO が話題だったのを記憶しています。
まだまだ デジタルソースの可能性が「安易」ではなく、DACを使ってデジタルを管理するシステム感覚が希薄な時代でもありました。

価格帯的にも オリジナルモデル と BASIC + VRDSバージョンアップ が検討された価格でしたので。
VRDSメカ + Wadia DAC をCDプレーヤーの 「完成形」 と感じている方は 迷わず バージョンアップに予算を考えたのだと思います。
一方で Wadia DAC の音作り に「拡張性」を感じていた方は 861オリジナル を選択したのだと。

今回やって来た Wadia 861 
お約束と言ってもいい 「トレーベルト交換」 の状態。
OPENさせても トレーか途中で止まってしまい「ウィ~~~ン、ウィ~~ン・・・」
何度聞いても 「切ない音」 です。。
所謂 CDプレーヤーの「高齢者」の仲間入りの合図の音でもあります。
まぁ 製造から15年以上経てば 当然なんですけどね。
そう考えると うちには Philips やら STUDER やら。。。後期高齢者CDプレーヤー達が。。。

内部を覗いてみます
お馴染みのVRDSメカとDAC基盤の2件の分譲 DAC基盤は2階建て といった感じ。
VRDS メカ TEAK製 CMK3.2  TEAC(Esoteric)のOEM という扱いですが、メカ自体は同じものです。

まず初めに トレーを引き出します。
このストッパー部を少しだけ上に引っ張ってやると スコッ っと抜け出ます。

VRDSメカ本体を外すと トレー開閉の機構が出てきます。
いつもなら、このドライブユニットごと 取り外して作業するのですが、
今回の オペ は本体に残したまま トレー機構を 「摘出」 してみます。
くれぐれもピックアップにダメージを与えないように慎重に行います。

一番手前に見えているベルト
これが トレー開閉の 送り出し用のベルト
見ただけで分かるように 弛んでます
ベルトを触ってみると ゴム自体の材質劣化の為 ベタベタしている状態
トレーを動かせないのも当然の状態です。
このベルトだけの交換なら このまますぐに終了ではあります。

この作業で「面倒」なのがこのベルト
トレーが閉まった後 ディスクをクランプさせる為の機構
見た目の感じだと このまま簡単にベルト交換できそうなんですが
モーターとギアをバラバラにしないと ベルトが抜けないんですよねぇ。
毎回この作業をする度に 「もうちょっと考えてくれよぉ~~。。」って思いますねぇ。。

グタグタ言いながらも ASSYを外します。
ここでモーターを切り離します。

バラバラにするとこんな感じに
しかし。。 「外人」って Cリング好きだよなぁ。。。
これも 毎回思います。
ピンの向きやワッシャー(シム)の位置は間違えないようにします。
適当に組んであるようで、実は調整した結果 のこ組み方になっているので。
ベルトを交換し 各所グリスアップ
そして ベルトが接するプーリー部はキレイに洗浄し 元に組付けます。

作業ついでに ピックアップ受光部のクリーニングも
無水アルコールで 「軽く」 です。
当たり前ですが ゴシゴシ すると 終了しますので。 気を付けて。

ベルト交換を終えて 元通りに組付けて
さて 試演 です。
トレーもバッチリ スムースです
VRDSメカ 独特の ディスクがセットされた時の 「カコ~~ン」って音が何とも好きです。

さて
今回はこの作業で どんな道具を使ったのか?
簡単にご紹介です。
 と 言うのも
この手の作業ブログを見て 結構 問い合わせが多いんです
「ベルトはありますか?」 「工賃いくらですか?」 「自分でもできますか?」 等々。。。

ちなみに 当店では ベルトの在庫もございません。
修理業務も行っておりません。 当店に入荷したモノに限り当店にてメンテナスしております。
「自分でもできますか?」 → わかりません。。自己責任と自己判断でお願いいたします。

そんなこともあって
「この程度」の作業内容で「この程度」の道具は 「最低限」 必要というお話です。

やはり ドライバー類は細かなモノを結構ついます。
ネジ(ビス)類もサイズが色々なのはもちろんですし。 ネジ山を「舐めて」しまうと 結構は問題ですので
あとは プライヤー や ピンセット 類も重要ですねぇ 細かいので 指が入らない場所が多いので
あと 写真にはありませんが、マグネットのピックアップツール等も結構重要です。

ケミカル系のモノも洗浄するだけでこのくらいの薬品類は使います
材料に適したモノを使わないと 痛めるだけだけなので気を付けましょう
偏に樹脂(プラスチック)やゴムと言っても材料も様々
ラッカー系に弱い材料、石油系に弱い材料、アルコール系に弱い材料、他にもいろいろです。
あと、写真にはありませんが、鉱物系のグリスやら、接点部の薬品も使ってます。

綿棒と言っても 私は4種類の綿棒をついます。
あと 意外と重宝するのは 竹ようじ です。
木製のつま楊枝だと 意外ともろくて


まぁ こんな感じで
実際の作業としては 2時間程度の内容ではありますが、何度もやっているからこの時間なんです。
当然、「想定外」の症状の場合 もっと時間を要する事もありますし、 部品を調達しなおして作業を見送ることだってあります。
すべては 「現場」「現状」 との闘いです。
「自分でもできますか?」 って問いは
なんと言うか その妙な緊張感が 「面白い」 と思えるかどうか
あと、自己責任と自己判断に自信が持てるかどうかなんじゃないかと思います。

※当店では家電製品の修理や分解、改造等を推奨している訳ではございません。
※あくまでも経年オーディオ機器がどう取り扱われているかをご紹介する内容であります。
※修理やメンテナスにつきましては 基本的に 「メーカー」 へお問い合わせください。