KEF model 5/1AC 希少BBC モニターです。

こんにちは。
ナックオーディオ中村です。

今日は希少なビンテージBBCモニタースピーカー KEF model 5/1AC をご紹介いたします。

50年代から60年代後半にかけてBBC局用モニターとしてKEFの LS5/1A が使われていました。
この「LS」の称号は販売時につけられる型番のようなモノです。
実際のBBC局で使用されていたのは「model 5/1A」tと呼ばれ、見た目はシルバーの飾り気のない木箱、通称「銀箱」と呼ばれるエンクロジャーに収まったモノで、ごく一部のマニアで貴重な存在となっています。
70年代に入りこの LS5/1A にHigh/Low2chのデバイダー内蔵パワーアンプを搭載させ「model 5/1AC」として販売されます。
イギリスのラジオ局等で活躍したという話を聞きます。

日本では74年からの数年間発売販売されたようですが、当時この5/1ACがどういった存在で流通されていたのか調べてもイマイチわかりませんでした。
中古オーディオ市場でも滅多に出てくることがない貴重な存在であることは間違いありません。
インターネット上でも資料らしいモノが殆んど見当たりませんので情報共有の意味も含めて写真を多数掲載いたします。

KEF model 5/1AC
サランネットが欠品しています。
前オーナー様は自作のネットを作られて使用していたようでバッフル板の端部分の所々にボンド跡があります。
オリジナルと思われるマジックテープの受け側は残されています。

KEF2
ウーハーユニット Goodmans C129
L/R共にコンディション良好です。
コーンにシミ汚れ箇所は所々にありますが、エッジも目立った劣化はありません。

KEF3
ツイーターユニット Celestion HF1400 × 2
外傷無く出音バランス良好です。

KEF4
バッフル右上にある飛び出した「KEF」のロゴは電源ONで点灯します。
固定しているナットが接点になっており、まれに接点不良で点灯しなくなるようですが、ナットを締めなおすと直ります。

KEF5
KEF6
エンクロージャー上面に外傷は少なく比較的キレイだと思います。
片側上面にモノを置いていた日焼け跡が薄ら見られます。

KEF7
KEF8
エンクロージャー側面の所々に線キズや小キズが見られます。
経年を考慮すればまずまずキレイだと思います。

KEF9
背面も目立った外傷は少ないと思いますが、縁部分の突板(化粧板)の剥がれが全体的にあります。

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KEF14
上面、側面、背面の突板(化粧板)は比較的しっかりと密着されていますが、前面、背面にかけての端部分(板厚部分)の突板(化粧板)が全体的に脆くなっており、触っただけで剥がれる感じです。

KEF15
KEF16
シリアルナンバー No.196 / 198
おしい!連番ではありませんが1番違いです。

KEF17
High/Low2chデバイダー内蔵パワーアンプ KEF AD108P ペア
アンプを取り出します。
外傷はほとんどありませんが、全体的に経年相応と言った感じです。
ハンドル部分のメッキはサビが出ています。

KEF18
正面に4個並ぶのはトランジスタです。
プラスチックのカバーが付けられています。

KEF19
電源部は珍しい形のキャノンタイプです。
3針の細いのがアースになっています。

KEF20
入力はXLRバランス1系統
2番HOTとなっています。
GAINレベルツマミもL/R良好です。
現状で出力もL/Rでほぼバランスが取れています。

KEF21
アンプのシリアルも本体と同番号になっています。

KEF22
背面は非常にシンプルですねぇ
High/Lowのバナナプラグ端子とKEFロゴの電源端子です

KEF23
スピーカー側の配線/端子

KEF24
アンプ内部です
右側に大型のトロイダルトランスが鎮座しており見た目的にもやる気を感じますねぇ
チャンネルディバイダ内蔵

KEF25
詳細な内容までは不明ですが、前オーナー様が8年近く前にアンプ修理専門の個人工房でメンテナンスを依頼されたそうです。
内部基盤上のレベルコントロールが交換されているようです

KEF26
オリジナルを尊重したメンテナンスだったようで一部コンデンサ類がオーディオグレードのモノに交換されています

KEF27
電源ケーブルはオリジナルの接続プラグを使って作り直されたようです。
PC等で使われるVCTケーブルですので、これは作り直した方がよさそうですね。

KEF28
KEF29
貴重なオリジナルマニュアルもあります。

実はこのスピーカーが入荷してから毎日悩んでるんですよ。
ビンテージモノな上、国内での現存数もかなり限られた貴重なモノなのでどこまで手を入れていいものか。。。。。
壊れているモノなら直す方向でいろいろ考えられるのですが。
現状でスピーカー部/アンプ部共に良好なんで、必要以上に手を入れない方がいい場合もあるんです。

外観的にも剥がれ始めた突板を補修するべきか、又は見た目よりオリジナルを重視するべきか。。。。
補修を入れればそれだけ販売価格も高騰する訳ですし。。。。
これがJBLのスピーカーだったら間違いなく見た目をキレイに仕上げた方が需要はあるのですが。。。
この手のBBC関連の機種は見た目よりオリジナルにこだわる方も多いんです。
UKオーディオは特にスピーカーに限らず、オリジナルを重視される方も多いジャンルなので。

結果的に販売価格も定まらないままで、このまま置いておく訳にもいきませんしねぇ

と、言う訳で現状コンディションからの 販売価格応談 としてしばらく在庫いたします。
ご興味持たれた方はお問合せください。

担当 中村 まで

Specification: Model 5/1AC
System type: Two-way, stand-mount
Enclosure type: Reflex
Size: 890 x 440 x 510 mm (35 x 17.3 x 20 inches)
Weight: 45kg (100 lbs)
Finish: Oiled Teak
Grille: Grey
Frequency range: 30Hz-15kHz
Crossover Frequency: 1.75kHz
Maximum sound pressure: 112dB at 2m on axis
Sensitivity: 775mV for full output
Input Impedance: 10kOhms balanced or unbalanced line bridging
System: SP1099
Drive Units: Goodmans C129/15pr, 2 x Celestion HF1400 tweeter