偽物・コピー品 にご注意!「JBL Flip 5 Bluetoothスピーカー 」

先日 お客様より「使わないから持って行って」と今回の「物(ブツ)」をいただきました。

なんでも知人より貰った物との事だったので、未開封の状態だった事もあり、詳細な内容については説明しない方が良いと思い、

「こちらのお品物だと お値段がつけられません。」とだけ 遠回しにお答えしておきました。

お客様ご自身もその「物(ブツ)」が ” 偽物 ”である事はわかってなかったようでしたので。。。

もちろん ホンモノであれば 相応にお値段を付けて買取させていただきます。

パッケージを開けて見たら ‥

まず初めに パッケージを見てみます。

当店でも数回「 JBL の FLIP シリーズ / Charge シリーズ」 は扱った事はありますが、

一見して「安っぽい」箱です。

10m 離れて見れば「それっぽい」感じですが、箱の紙質自体が既に「怪しい」感じです。

パッケージ
パッケージ
箱を開ければ、お菓子のビスケットのカートンのようなプラスチックに収まっています。

もちろんホンモノはきちんとした専用のカートンに収まっています。

本体を取り出すと、申し訳なさそうに「 USBケーブル と ステレオミニピンケーブル 」が入ってます。

かなりヘロヘロの貧弱なモノで、実際に使えるのかすら疑わしい。

ちなみに、取扱説明書(マニュアル)等の書類は一切入ってません。

USBケーブルとステレオミニピンケーブル

その本体は‥ ??

それでは、本体を見てみましょう。

パッと見では「ホンモノ?」と思ってしまう感じの「それっぽい」作りです。

最初見たとき、「もしかしてホンモノ??」と逆に疑ってしまいそうでした。

USBケーブルとステレオミニピンケーブル
本体
本体側面
本体
本体

この角度から見たとき

「やっぱり偽物だわぁ・・」

確信に変わります。

JBL FLIP5 は、「防水仕様」のスピーカーで、
ラバーのフタ等は一切排除してあるデザインです。

このフタをめくってみると・・・・・

なんと!ステレオミニのAUX入力がっ!

Bluetooth の意味そのものを覆すアナログな気遣いに嬉しくなってしまいます。

そして、謎のUSB端子はいったいなんなのだろうか。。。

爆発しないか 少しドキドキしながら 付属のUSBケーブルで充電を開始します。

LEDランプが点灯した!

じゃあ 電源をポチッと・・・・・。 「じゃかじゃ~~ん♪」の音の後「ブルーテュースモード~」女性の音声で起動!

おお! 使えそうだ!

充電
Bluetooth接続
じゃあ。 お言葉に甘えて。。

Bluetoothで接続させてみます。

なんと!「FLIP5」の名前で認識しているじゃありませんか!

ある意味「こだわり」すら感じてしまいますね。

Bluetoothスピーカー 実聴‥ そして、謎のモードチェンジ!

早速、実聴 してみましょう。

一応「音」は出ますが、 ホンモノの FLIP5 とは程遠い音です。。。

FLIP5 の「売り」とも言える、サイズ以上の量感ある低音の感じが一切ありません。

ただただ 正面方向に指向性のつよい高音と 微妙な中音域

左右に「一応」付いているパッシブラジエターも申し訳なさそうに震えてはいるが、その効果は一切感じない。

ボリュームや選曲等は一通り連動しています。 一応 Bluetooth スピーカー としては成り立っています。

実聴
Bluetoothマーク

Bluetooth マークのボタンを押すとどうなるのか?

ドキドキしながら押してみます。

「FMも~~ど」先ほどの女性のすばらしい発音ボイスで切り替わります。

ほんとにFMが聞けるのだろうか? だとすれば充電式FMラジオとしては便利かもしれない!

早速 チューニングをいろいろいじくって合わせてみると・・・・。

「TBSラジオ たまむすび~~」。。。。。。

「AM やないかいっ!!おいっ!!」

FMモード といいながら AMラジオ ナイス ボケ をかましてくれます。

ステレオミニピンを指してみる。

ケーブルを指すと同時に 「AUXも~~ど」

いきなり女性のすばらしい発音で切り替わる。

とくにスイッチでの切り替えは無く、ケーブルを指す事で切り替わるのが 便利なのか不便なのかわからない仕様です。

ステレオミニピンを指す

禁断?! スピーカーを バラバラ に 分解してみたら ‥

ネットを外した

早速 ネットを外してバラシてみましょう~♪

元に戻すつもりも無いので、バキバキ剥がしていきます!

なんと!

3cm径 程の 謎のユニットが 2個 横並びで設置。

高音域がやたら倍音だけで鳴っている印象は間違ってなかったようですね。

多分ステレオではないと思います。

ちなみに

オリジナルは 44×80mmの大口径楕円形ドライバーを40w駆動 という、

それなりに「やる気!」を感じる仕様です。

謎のユニット
オリジナルのユニット
デジタルアンプ基板、操作パネル基板
ユニット

さらに 分解を進めていきます。

一応の「デジタルアンプ基板、操作パネル基板」 が収まっております。

両サイドのパッシブラジエーターを引っぺがし 本体を割ると・・・。

ユニットの正体が現れます。

マグネットには「D 4Ω5W」と文字があります。

そして、何とも怪しげなバッテリーがホットボンドで接着

バッテリーを消耗品として、交換するつもりはまったくないのでしょう。

ちなみに、パッシブラジエターのエッジは無理やり剥がしたので、元に戻すのは難しいです。

まとめ

さて、分解と検証はこの辺までです。(これ以上は意味も無く、時間の無駄ですので。。)

本来であれば「ホンモノ」をレビューするのが私の仕事かと思いますが、、、。

この手の JBL Bluetooth スピーカー は一時 偽物の流通がひどく、

ハーマンさんもかなり苦労して「偽物、模造品 回収プログラム」まで用意して対策していた話です。

※偽物、模造品 回収プログラムについての詳細は、JBLホームページの「「模倣品」を誤ってご購入されたお客様へ」ページをご覧ください。

ちなみに、今回記事にした FLIP 5(偽物)は回収プログラムの対象ではありません。

FLIP 5 は現在 メーカー(JBL正規代理店 ハーマン・インターナショナル)では「生産完了品」となっております。

したがって、日本国内で「正規品」として流通しているモノは、メーカー取り扱い時期に流通されていた在庫限りとなっているはずです。

ネットで流通しているモノについては、海外からの「並行輸入品」となるモノも多々あると思います。

本記事は 注意喚起 の意味を込めて、掲載しております。

安易に「安いから」「もう手に入らないから」等の理由で、くれぐれも 偽物 コピー品には騙されないようにしてください。

ちなみに、簡単な調べでは ヤフオクさん や メルカリさん はじめ、個人売買サイトでまだ見かけない「偽物」なので、さらにお気を付けください。

もちろん、

”本物” の  JBL Bluetooth スピーカー は 買取り しています。

Bluetooth スピーカー以外にも、

大型スピーカー、トールボーイスピーカー、ブックシェルフスピーカーなどのスピーカー本体ほか、

各種スピーカーユニット単体、アッテネーター、エンクロージャーなどは、単体でも買取しています。

まずはご相談ください。

→ビンテージスピーカーの買取ついてはこちらをご覧ください。

→自作スピーカーの売却については、topics「”自作” のオーディオって売れる?」を参考にしてください。

この記事を監修した人

中村賢司

執筆者 中村賢司

音楽好き、オーディオ好きが高じて自ら中古オーディオ店 ナックオーディオ を営む店主。
経済的に乏しかった学生時代から中古オーディオをこよなく愛し、インターネットの無い時代から得た経験や知識、肌感覚の中古オーディオ相場観を有する。また、中古でしか出会う事が出来ない「往年の名機」「昭和のバラコン」との出会いを日々楽しみにしている。ドル300円時代の輸入オーディオの感覚を捨て切れてない。日本にあるビンテージオーディオが海外に輸出されると悲しくなる。基本的にアナログオーディオ、レコード再生、真空管アンプのアナログ脳。レコードカートリッジの収集癖が有る。最新のデジタルオーディオ関連機器、デジタルメディア再生、ネットワークオーディオ、PCオーディオ等とも奮闘中。「器用貧乏」を地で行く修理やメンテナンス補修を得意とする。スピーカーのエッジ補修、突板補修、外観の塗装補修には自信がある。人付き合いは苦手は方だが、お客様とつい長話をするクセがある。

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