「売れるオーディオ」と「売れないオーディオ」の違いをズバリ言います。
こんにちはナックオーディオ店主中村です。 中古オーディオ店とはオーディオ機器を「売ったり」「買ったり」するのが仕事になります。 この「買ったり」する仕事とは、すなわちお客様がオーディオを「売る」「売却する」際のお手伝いをする事です。 当店にくるお客様からの電話やメールでの問い合わせの8割~9割は、この「売る」「売却する」ことについてです。 このページ記事では、世の中にある様々なオーディオ機器の中でも「売れるオーディオ」・「売れないオーディオ」の違いについて説明していきたいと思います。

そもそも、” どんな人 ” がオーディオを売るのか?
当たり前ですが「ご自宅にオーディオ機器がある方」から当店にお問い合わせがあります。
しかし、それぞれのお客様には「売る」にあたって様々な事情がおありになりますが…
いったいどんな方がオーディオを売るのでしょうか?
オーディオ機器の買い替え

やはり一番多いのは、オーディオ機器をニューモデルや他機種に買い替えた為、不要になった際の「買い替え」です。
買い替え時の販売店での「下取り」と「他店での買取」を比較検討されている方も多く居られます。
中古オーディオ市場の事もよくご理解されている方がほとんどで「売り慣れてる」方も多いです。
引っ越しを機に
次に多いのは「引っ越し」を機にオーディオを手放される方、やはり新居に合わせてシステムを一新される方も多いです。
毎年3月~4月は、買取で忙しくなる時期でもあります。

生活スタイルの変化

オーディオ遺品の整理

戦後復興時代の鉱石ラジオの自作から始まり、高度経済成長、デジタル時代、バブル時代、インターネット時代、と様々な時代と共に長らくオーディオを楽しまれた方もご高齢になられます。お亡くなりになられたご家族が引き継いでオーディオを使っていただけるが一番だと思いますが、趣味性が高いジャンルですので、なかなかご家族が「形見」として引き継ぐのが難しいケースがほとんどです。
残されたご遺族様の思いも様々ではございますが、やはり時期を見て良いタイミングでご相談いただくケースが多いです。
当店ではこの「オーディオ遺品整理」に対しての “ケアサポート”に力を入れています。
ご不明な点、ご不安な点がございましたらお気軽にご相談ください。
私 担当中村 が全て責任もってご納得いくまで説明させていただきます。
「売れるオーディオ」と「売れないオーディオ」がある。
古いけど、買った当時 ” 高かった ” オーディオは売れる?

購入時に高額だったオーディオ機器は古くても、相応の価値で ” 売れる ”可能性は高いです。
数あるオーディオ機器の中でも「往年の名機」として長らく存在しているモデルは、やはり当時の販売価格も高額なモノが多いのも事実です。
とは言っても「当時高かった」だけでは判断基準にはなりません。
古くは「ドル300円時代」または「バブル時代」等では消費価格の相場がかなりブレているケースも多く、粗悪品も多々あります。
逆に「当時は安かった」モノが信じられないくらい ” 高額 ”になっているオーディオ製品も多々あります。
50年前に現在の相場を知っていたなら。。。。と、私自身が。。。。
壊れたオーディオって売れる?

各オーディオメーカーには、メーカーとして製造・販売 するにあたり順守する「家電製品に関する法律」があります。(※製造物責任法(PL法)、家庭用品品質表示法、電気用品安全法の詳細については割愛いたします)
その法律の中で修理期間や修理部品の保有期間に関する内容があり、多くの家電メーカーが概ね8年~10年を修理部品保有期間として定めています。
要するに「家電表示」され販売された製品は10年経つとその価値が「時効」になる事を具体的に定めています。
よって、メーカーとしての販売した責任やサポートの義務が”10年”で無くなる訳です。
基本的には、製造から8年以上経過した家電製品が壊れた場合は修理が困難である事が想像できます。
しかし、全ての家電製品が「10年」の期間を定めている訳ではなく、その製品の特性により「消費家電」として扱われているモノかどうかが判断基準になります。
当店のような趣味性、嗜好性の高いオーディオ製品では、メーカー様の努力によって30年以上昔の機器でも修理受付する場合もあります。
所謂「ビンテージ」と呼ばれる製品が存在するジャンルでは比較的修理可能な製品も多いです。
また、趣味性、嗜好性の高いオーディオユーザーも多いため「部品取り」「ジャンク品」というちょっと特殊な流通の仕方が存在します。
自分の使っている愛機が故障した際に、「部品取り」「ジャンク品」から取り外したパーツを使って修理する為のストックとして需要があります。
まずは、お持ちの壊れた機器が「消費家電」に近い製品なのか、「趣味性の高い」製品なのかを考えるとよいかもしれません。
海外から個人で輸入したオーディオって売れる?
「〇」か「×」で申し上げますと・・・「△」です。
その製品の特性によりメーカーサポートが受けられない製品、修理メンテナンスは高額になるが一定のメーカーサポートが受けれる製品、そもそも日本で取り扱い店(ディーラー)の無い製品、様々な形で並行輸入されたオーディオが世の中には流通しています。
いくら当店が中古オーディオ専門店と言っても、製品を販売する以上それ相応の「販売責任」がございます。
その製品の特性上、メーカーサポートが受けられない事が不利益な場合、取り扱いをお断りする場合がございます。
または「リスク有り製品」として取り扱いは対応しますが、そのリスクに見合った価格となる場合があります。
また、上記でも記載した内容でもありますが10年以上の経年モデルの場合は並行輸入品でも問題なく扱える製品もあります。
よくあるケースとしては、円高だった時代に国内正規品では50万円、並行輸入すれば35万円。
故障しなければ15万円得するし、故障すれば大損するって感じで当時買われた方が多いです。
「ビンテージオーディオ機器」の並行輸入品につきましては、基本的に全て現状を見て判断させていただきます。
「メーカー・ブランド・モデル」がわからない? ”自作” のオーディオって売れる?
自作スピーカー、自作アンプ等、オーディオ趣味の中でも「自作派」「研究派」「実験派」と呼ばれるコアなオーディオマニア層の方に多いジャンルです。どちらか言えば「音楽鑑賞」を目的とするよりも「ホビー」として音の出る機械/装置として深く掘り下げている方がほとんどです。かなりマニアック(自称「変態」)な方が多く、この手のお客様とお話しするのはとても楽しいんです。そして、とても勉強になったりします。昔の「アキバ系」と言えば、このジャンルの方たちの事を言っていましたが、近年の「アキバ系」と言えばアニメ、PC、ゲーム、メイドカフェ。。。
上記と同様になりますが、
「〇」か「×」で申し上げますと・・・「△」です。
自作されたスピーカーやアンプは、基本的には「部品」単位として取り扱う事ができます。
もちろん、一度組み立てた「部品」ですので、「再利用」が可能な状態が前提になります。
また、半田で熱を入れた場合には、特性を保証できない部品も多い為、一定の部品に関しては評価できない場合があります。
- スピーカーの場合:
ユニット単体でオリジナルで良好であれば問題なく扱えますが、自作エンクロージャーや自作ネットワーク等は評価が難しい場合が多いです。 - 真空管アンプの場合:
各真空管、トランスが基本的な取り扱い対象になり、一部の貴重なコンデンサ類、アッテネータ等も評価できる場合があります。 - シャーシ等の場合:
外観的にキレイで「再利用」が客観的に望める程度状態であれば評価できる場合があります。 - 自作ケーブル等の場合:
ケーブル単体で再度需要が望める長さがキープできている場合は問題なく取り扱えます。 - その他、往年のターンテーブル、フォノモーター単体、トーンアーム単体、キャビネット等、自作ターンテーブルも各単体にて評価いたします。
他人のオーディオを買ってもらえる?
基本的には、所有者 “ご本様”からのご依頼を承っております。
しかし、それぞれの方のご事情に合わせご親族の方であれば、所在確認も兼ね「出張買取」にて、直接ご自宅にお伺いし、状況をお話しいただければ了承しております。
オーディオ機器を持ち込み買取の場合、その内容や様子、状況によって「盗難品」ではない事を証明するのが困難な場合、取り扱いをお断りする場合がございます。また「盗難品」の可能性がある場合、古物商法に従い警察への通報や、相応に法的な対処をする場合がございます。
<まとめ>「売れるオーディオ」と「売れないオーディオ」の違いとは?
一概にオーディオ機器と言っても、世の中には様々なオーディオ機器があります。
中古オーディオ機器を専門に取り扱う当店でも、全てのオーディオ機器を扱える訳ではございません。
そして「売れるオーディオ」と「売れないオーディオ」の違いは何かと言えば、単純に「需要」の有無が全てです。
世の中に需要のあるオーディオは全て取り扱いますし、逆に需要の無いオーディオ機器につきましては、申し訳ございませんが取り扱うことができないということになります。
この記事を監修した人
執筆者 中村賢司
音楽好き、オーディオ好きが高じて自ら中古オーディオ店 ナックオーディオ を営む店主。
経済的に乏しかった学生時代から中古オーディオをこよなく愛し、インターネットの無い時代から得た経験や知識、肌感覚の中古オーディオ相場観を有する。また、中古でしか出会う事が出来ない「往年の名機」「昭和のバラコン」との出会いを日々楽しみにしている。ドル300円時代の輸入オーディオの感覚を捨て切れてない。日本にあるビンテージオーディオが海外に輸出されると悲しくなる。基本的にアナログオーディオ、レコード再生、真空管アンプのアナログ脳。レコードカートリッジの収集癖が有る。最新のデジタルオーディオ関連機器、デジタルメディア再生、ネットワークオーディオ、PCオーディオ等とも奮闘中。「器用貧乏」を地で行く修理やメンテナンス補修を得意とする。スピーカーのエッジ補修、突板補修、外観の塗装補修には自信がある。人付き合いは苦手は方だが、お客様とつい長話をするクセがある。